視力1.0(20/20)とは?視力表でわからないこと
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公開された研究をもとに Optics Trainer チームが執筆しました。出典はすべて下記にリンクしています。
視力20/20(日本で使われる小数視力では1.0)は、多くの人が視力表で知っている結果で、目に問題がない証のように聞こえます。しかし、測っているのは1つのこと、つまり離れた文字がどれだけくっきり見えるかだけです。近くへのピント合わせ、両目の協調、目の動き、奥行きの判断、周辺視野がどれだけうまく働くかは調べず、目の健康も確認しません。だからこそ、20/20の人でもぼやけ、頭痛、目の疲れが起こることがあります。このガイドでは、20/20という分数の意味、視力表でわからないこと、視力スクリーニングと総合的な眼科検査の違い、オンラインの視力検査でわかることとわからないことを説明します。
視力20/20とはどういう意味?
視力とは、見え方がどれだけはっきりしていてくっきりしているかのことです。通常はスネレン視力表で測ります。行ごとに文字が小さくなっていく、おなじみの文字の表です。結果は分数で書かれます。
米国眼科学会(AAO)は次のように説明しています。上の数字は視力表からの距離で、通常は20フィート(約6メートル)です。下の数字は、正常な視力の人が同じ行を読める距離です。つまり20/20とは、平均的な人が20フィートで見えるものを、あなたも20フィートで見えるという意味です。米国以外では距離をメートルで表すため、同じ結果は6/6と書かれます。日本で一般的な小数視力では、20/20は1.0に当たります。
20/20は完璧ではなく、正常と考えられています。AAO によると、眼鏡やコンタクトレンズ、手術なしで20/20の成人は約35%、矯正すると約75%です。
| 結果 | 意味 |
|---|---|
| 20/15(小数視力で約1.3) | 平均よりくっきり:ほとんどの人が15フィートでしか読めない行を、20フィートで読める |
| 20/20(小数視力で1.0) | 遠くの見え方が正常:ほとんどの人が20フィートで読めるものを、20フィートで読める |
| 20/30(小数視力で約0.7) | 平均より劣る:ほとんどの人が30フィートから読めるものを、20フィートまで近づかないと読めない |
| 20/40(小数視力で0.5) | 米国のほとんどの州で、制限のない運転免許にはこれ以上が必要 |
| 矯正しても20/200(小数視力で0.1)以下 | 米国で法的失明の定義に使われる水準 |
視力検査でわかること、わからないこと
米国検眼協会(AOA)は、20/20が示すのは遠くを見たときのくっきりさだけだと指摘しています。そして、良い見え方を支えるほかの能力として次のものを挙げています。
- ピント合わせの力(近くの物にピントを合わせることを含む)
- 目の協調:両目がどれだけうまく同じ点に向き、一緒に働くか
- 奥行き知覚
- 周辺視野
- 色覚
視力1.0なのにぼやける・目が疲れる・近くが見えにくい
20/20なのに症状がある場合、視力表が間違っているわけではありません。視力表は、あらゆる原因を見つけるために作られたものではないだけです。よくある理由を以下に挙げますが、どれが当てはまるか(あるいはどれも当てはまらないか)は、眼科検査でしかわかりません。
遠視(特に子ども)。若い目は、強くピントを合わせることで、ある程度の遠視を補うことができます。AAO の EyeWiki によると、このピント合わせの努力によって若い患者は遠視の一部を補えることが多く、隠れた部分は検査中に点眼薬でピント合わせを休ませたときに初めて現れます。最もよくあるサインは近くのぼやけで、近くを見る作業中の目の疲れや頭痛を伴うことがよくあります。そのため、遠視の子どもは遠くの視力表はよく読めても、近くの作業で苦労することがあります。米国国立眼病研究所(NEI)は、軽い遠視では症状がまったくない場合もあると付け加えています。
40歳を過ぎて老眼鏡が必要になる。老視(老眼)は、年齢とともに近くへのピントが合いにくくなる自然な変化です。AAO によると、中年になっても遠くのくっきりさはたいてい変わらないため、遠くの視力表では20/20でも、スマートフォンを腕いっぱいに離して持つことがあります。矯正しないままだと、頭痛や目の疲れの原因になります。
乱視。乱視は近くと遠くの両方をぼやけさせ、頭痛や目を細めることの原因になることがあります。AAO によると、ほとんどの人には少しの乱視があり、乱視が強い人ははっきり見るために眼鏡やコンタクトレンズが必要なことが多いとされています。
両眼の協調の問題。輻輳不全(CI)とは、近くを見る作業のときに両目を一緒に内側に寄せにくい状態です。EyeWiki は、近くを見る作業中の目の疲れ、複視、頭痛、近くのぼやけ、読んでいる場所を見失うことを典型的な症状として挙げています。診断には、目をどこまで近くに寄せられるか、両眼の協調の幅がどれくらいあるかなど、文字の視力表ではわからないことを測ります。試験の結果は輻輳不全のトレーニングのガイドで紹介しています。
目の病気。NEI によると、多くの目の病気には初期の症状や警告サインがなく、早く見つけるための確かな方法は散瞳検査です。散瞳検査では、くっきりさに加えて、周辺視野、目の筋肉の働き、瞳孔、眼圧、目の内部を調べます。
視力スクリーニングと総合的な眼科検査:専門家の意見が分かれる点
視力スクリーニングは、学校や小児科などで行われる短い確認で、より詳しく調べる必要がある子どもを見つけるためのものです。総合的な眼科検査は、検眼士(オプトメトリスト)や眼科医が行い、ピント合わせ、目の位置、目の健康を詳しく調べます。以下の団体は、子どもの目を早く確認すべきという点では一致しています。意見が分かれるのは、スクリーニングに合格した子どもにも定期的な総合検査が必要かどうかです。
- 米国小児科学会(AAP)、AAO、AAPOS、認定視能訓練士(2016年):目の確認は新生児室で始め、乳幼児健診で続けるべきとしています。器械を使ったスクリーニングは12か月〜3歳で初めて試み、4歳ごろからは文字や記号の視力表を使えることが多いとされています。不合格だった子どもは、子どもの治療の訓練を受けた眼の専門医に紹介すべきとしています。また、スクリーニングで弱視の原因がすべて見つかるわけではないとも記しています。
- AAO と AAPOS(2022年):5歳以降は1〜2年ごとにスクリーニングを行うとしています。スクリーニングで紹介された子どもと、学習障害の可能性がある、または診断されている子どもは、総合的な検査を受けるべきとしています。ただし、症状のない子どもに対する定期的な総合検査には、医学的な利点が証明されていないとしています。AAO は、さまざまな年齢でスクリーニングを行うほうが、1回の検査よりも問題を見つける機会が増えると付け加えています。
- AOA(2017年のガイドライン):3〜5歳の間に少なくとも1回の総合的な検査を受け、その後は小学1年生になる前に1回、6〜18歳は毎年受けるよう勧めています。AOA は、定期的なスクリーニングは「ほとんどの視覚の問題を見つけるうえで頼りにはできない」と述べています。
- 米国予防医療専門委員会(USPSTF、2017年):3〜5歳の間に少なくとも1回、弱視またはその危険因子のスクリーニングを行うよう勧めています。3歳未満のスクリーニングについては、判断するには根拠が少なすぎるとしました。
- 大人:AAO は、40歳までに基準となる眼科検査を受けることを勧め、20/20であっても定期的な検査は必要だとしています。
視力1.0と読み書き・学校:視力表からはわからないこと
保護者からは、視力20/20の子どもでも学校の勉強に影響する視覚の問題がありうるのか、という質問がよくあります。遠くの視力表が正常でも、ピント合わせや両眼の協調に問題があることはあります。AAO と AAPOS は、学習障害の可能性がある、または診断されている子どもは、診断されていない視覚の問題を見つけて治療できるよう、総合的な眼科検査を受けるべきとしています。
これは、視覚の問題が学習の問題を引き起こすという意味ではありません。AOA は、見え方が悪いと子どもが授業に参加する力に影響しうると述べ、学齢期の子どもには毎年の総合的な検査を勧めています。AAO と AAPOS の2022年の声明は、両眼の協調やピント合わせの障害が学校での問題をよく引き起こすという十分な根拠はないとして、それらの定期的なスクリーニングは勧めていません。AAP、AAO、AAPOS、認定視能訓練士による2009年の共同声明は、ほとんどの専門家はディスレクシア(読み書き障害)を言語に基づく障害と考えており、視覚の問題は学習の妨げになりうるものの、一次性のディスレクシアや学習障害の原因ではないと述べています。読むことが心配な場合は、眼科検査と、読み書きや学習の評価の両方について相談しましょう。どちらか一方で代わりにするものではありません。
オンラインの視力検査で眼科検査の代わりになる?
オンラインやアプリの視力検査は手軽ですが、測れるものは検査よりずっと少なくなります。AOA は2016年の消費者向けの注意喚起で、オンライン検査は、目の健康のチェックや病歴の確認なしに、検査の一部である眼鏡の度数を推定しようとするものだと述べました。そして、周辺視野、奥行き知覚、目の位置、ピント合わせ、目の筋肉の働き、色覚、瞳孔の確認、眼圧、散瞳による目の健康の検査など、診察室での検査で加わるものを挙げています。
オンラインの視力表で良い結果が出ても、目が健康だという証拠にはなりません。結果が悪ければ、きちんとした検査を予約するきっかけにしましょう。
Optics Trainer の位置づけ
Optics Trainer は、iPhone、iPad、Android、ウェブブラウザ、Meta Quest で使える、ゲーム形式の視覚・脳トレーニングアプリです。そのゲームとドリルは、このガイドで視力表では調べないと説明した能力のいくつかを使う課題になっています。目の協調と奥行き知覚については、Odd One Out と Front or Back で、両眼の協調への負荷が段階的に上下する中で奥行きを判断します。Middle Match では、視線の中心から離れた場所の細部に気づくことが求められます。中央の C と、C の輪が一瞬表示され、中央と同じ向きの輪の C をタップします。Drills タブには、見て追いかける形式の Peripheral Awareness、Saccades、Pursuits のドリルもあります。アプリの画面は日本語に対応しています。
視力検査、スクリーニング、眼科検査ではありません。視力、周辺視野、奥行き知覚を臨床的に測定するものではなく、目の健康を確認するものでもなく、どんな病気の治療や診断でもありません。FDA の承認(クリアランス)を受けておらず、日本で医療機器として承認されたものでもありません。また、上で紹介した研究で使われたものでもありません。臨床で眼球運動を測定したい眼科の専門家は、Optics Tracker(英語)をご覧ください。
Optics Trainer は専門家による診断や処方された治療の代わりにはなりません。ご自身の状態については、眼科医や視能訓練士などの専門家にご相談ください。担当の専門家が自宅での練習を計画に取り入れてよいと判断した場合、モバイル版とウェブ版の料金は、App Store では月額 ¥2,500 です(Google Play とウェブ版は購入時に価格が表示されます)。年間プランもあります。スマートフォン・タブレット版アプリは7日間の無料体験から始められ、無料のウェブアカウントでは1日3回までプレイできます。VR 版は7日間の無料体験の後、Meta Quest Store で現地通貨の価格が表示されます。
Optics Trainer をダウンロード
ダウンロード無料。アプリは7日間の無料トライアル付き。ブラウザでは1日3回まで無料でプレイできます。
よくある質問
視力20/20(1.0)は完璧な視力ですか?
いいえ。AAO によると、20/20は正常であって完璧ではありません。離れた文字がどれだけくっきり見えるかを示すだけです。20/15のようにもっとよく見える人もいますし、20/20は近くへのピント合わせ、両眼の協調、奥行き、周辺視野、目の健康については何も示しません。
20/15は20/20より良いのですか?
はい。20/15とは、ほとんどの人が15フィートからしか読めない行を20フィートで読めるという意味で、遠くの見え方が平均よりくっきりしています。
視力20/30は悪いのですか?
平均より少し劣ります。ほとんどの人が30フィートから読めるものを、20フィートまで近づかないと読めません。米国のほとんどの州では、制限のない運転免許には20/40以上が必要です。
視力1.0なのにぼやけて見えるのはなぜですか?
遠くの視力表ですべてを調べられるわけではありません。ぼやけや疲れは、老眼鏡が必要になっている、目が懸命に補っている遠視がある、乱視がある、輻輳不全のような両眼の協調の問題がある、治療が必要な目の病気がある、などが原因のことがあります。原因は眼科検査で見つけられます。
視力1.0でも眼鏡が必要なことはありますか?
はい。よくある例は老視(老眼)に対する老眼鏡です。40歳を過ぎると、遠くの見え方は変わらないまま近くのピントが合いにくくなることが多いためです。遠くの結果が良くても、遠視の子どもや乱視のある人が眼鏡で楽になることもあります。
学校の視力検査に合格すれば、子どもの目は問題ないのですか?
必ずしもそうではありません。スクリーニングは弱視や強い度数のような一般的な問題を見つけるためのもので、すべてを見つけられるスクリーニングはありません。合格した子どもの定期的な総合検査については専門家の意見が分かれているので、小児科医か眼科医に相談し、お子さんに症状がある場合や家族に目の病気がある場合は検査を予約しましょう。
オンラインの視力検査は正確ですか?
検査で調べることのごく一部を推定するだけです。AOA によると、オンライン検査には目の健康の検査が含まれず、目の位置、ピント合わせ、眼圧、網膜の確認などがわかりません。眼科検査の代わりではなく、受診のきっかけとして使いましょう。
出典
- American Academy of Ophthalmology. What does 20/20 vision mean? 2025
- American Optometric Association. Visual acuity
- National Eye Institute. Get a dilated eye exam
- AAO EyeWiki. Hyperopia
- National Eye Institute. Farsightedness (hyperopia)
- American Academy of Ophthalmology. What is astigmatism?
- American Academy of Ophthalmology. What is presbyopia? 2026
- AAO EyeWiki. Convergence insufficiency
- Donahue SP, Nixon CN, et al. Visual system assessment in infants, children, and young adults by pediatricians. Pediatrics. 2016
- AAPOS and AAO. Vision screening for infants and children: joint policy statement. 2022
- American Academy of Ophthalmology. Vision screening (advocacy position)
- AAPOS. Vision screening recommendations
- American Optometric Association. Doctors of optometry urge families to prioritize their children's health with annual eye exams. 2017
- US Preventive Services Task Force. Vision in children ages 6 months to 5 years: screening. 2017
- American Optometric Association. AOA reminds consumers that online vision tests are not replacements for in-office eye exams. 2016
- AAP, AAO, AAPOS, AACO. Joint statement: learning disabilities, dyslexia, and vision. Pediatrics. 2009
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